食育への取り組み

1 アイガモの放鳥体験

 田植の終わった田んぼでアイガモの雛の放鳥の体験を行っています。よしむら農園では除草剤や化学肥料を使用しない田んぼの管理にかわいいアイガモの雛の力をもらい米作りをしています。

 動物と共生する稲作りは、アイガモ農法といって①アイガモは害虫や雑草を食べてくれる、②アイガモは田んぼをクチバシと水掻きで掻きまわして酸素を供給してイネの根の活性化を助ける、③イネの条間を行き来するので風通しがよくなりイネの病気がつきにくい、④イネの成長とあわせてアイガモの成長が面白い、⑤アイガモの糞はイネの肥料になる、などの利点があります。可愛いアイガモの雛の放鳥には子どもたちに参加してもらいます。雛のぬくもりを実際に手に触って感じていただき、可愛い雛の命の尊さを肌より実感していただきます。子どもたちに雛をどのようにして持つか、またどのようにして放鳥するかの説明をして前後に手の消毒をします。初めて持つ雛に戸惑いながらもやさしさやワクワクする気持ちを感じ取れます。

 それぞれに名前をつけてもらい、田んぼに送り出されたアイガモは子どもたちの声援に応えて元気に泳ぎ回ります。

 放鳥体験をした子どもたちは、その後も写生大会や田んぼの生きもの観察などに訪問してくれます。

2 田んぼの生きもの観察

 田んぼの生きもの観察には私のほかに専門の職員さんを迎えて正確な知識を学習するようにしています。子どもたちは田んぼの生きものを探すのが得意です。どじょう・おたまじゃくし・タイコウチ・ヤゴ・トノサマガエル・ダルマガエル・アマガエル・ゲンゴロウ・シュレーゲルアオガエル・ミズスマシ・水カマキリ・カワニナ・タニシ・カメ等がいます。田んぼは米作りだけの場所ではなくて生きものや植物などの全ての生きものの共生の場として皆さんに理解していただきたいのです。

3 古代米の栽培を通じて

 古代米(黒米、赤米)の栽培を通じて、古代から伝わる稲作のロマンを伝えています。 子どもたちが稲作に興味を持ち、また食への関心を持つことは素晴らしいことです。

 見学に来た子どもたちや先生にいつも話をすることですが、毎日食べているお米がどのようにして育つか稔りを迎えるかは、勉強をして知っているのですが、イネの心を知ってほしいということを申し上げます。例えば、ご飯を粗末にしないように昔の人は『ご飯粒ふくい食育通信第4号7には菩薩様が居るので粗末にしたらバチがあたる』『ご飯粒を靴で踏みつけると目がつぶれる』などと言っていましたが、現代っ子には理論的にきちんと資源の無駄を省く意味を説明するほうが理解しやすいと感じています。私が出前講師に出て教わることの方が多いくらいです。ご飯茶碗にはご飯粒が何粒あるでしょうか?という子どもたちへの質問一つから、その一杯のご飯を作るために何株のイネが必要でしょうか?そしてその3株ないし4株のイネが田んぼの生きものをどれだけ育てているでしょうか(おたまじゃくしが何匹育つか)?など話題性があり興味の湧くことが出てくるのです。

 このことを知ることができたのも食育に携わっているおかげだと感謝しています。

4 若狭の里山で田舎体験を!

 春の村祭りが終わった頃、田んぼは鏡のように輝き田植が始まります。夏はホタルが飛び交い、秋は黄金色の稲穂が風に揺れ、鮭の遡上が見られ、冬は北の空から舞い降りて来たコハクチョウの家族がふゆ水たんぼに餌を啄みます。そんな雄大な自然が目の前に広がる若狭の里山で、都会の雑踏を暫しはなれて、ゆっくり・のんびり・田舎を体験してみませんか?

 若狭の国、三方は万葉の昔、“若狭なる三方の海の浜清みいゆきかいらい見れどあかぬかも”と詠まれた風光明媚なところです。また昔から温暖な気候だったお蔭で作物の栽培も盛んに行われてきました。

 このような先人たちが残してくれた肥沃な土地で、よしむら農園では米・梅・野菜などの栽培に取り組んでいます。また、湖やサケの遡上する川の水を汚さないためにも除草剤や化学肥料・農薬を使いません。有機栽培の農業は自然の恵みの中で生まれるものです。

 有機栽培の田んぼにはどじょう・おたまじゃくし・タイコウチ等がいますが、田んぼは米作りの場所だけでなく、田んぼの生きもの全ての共生の場であると考えています。

 よしむら農園の住む相田(アイダ)の土地を“あいあいの里”と名付けています。アイガモ農法の「アイ」、人を信じて愛するの「アイ」、若狭町相田の「アイ」、里山を愛するの「アイ」、愛があふれる『あいあいの里』と名づけました。

 村の人も、町の人も、お出でいただく人達もみんな集える、そんな田舎に出来たらと願 っています。どうぞお越し下さい。心よりお待ち申し上げます。